「AKB48の握手会」みたいな面接
「キーエンスに応募した理由は、年収ランキング1位、2位だったこと、エントリーシート(ES)が不要だったこと、それだけです。転職サイトで『今すぐESなしで受けられる企業20選』を適当にクリックしたら、偶然キーエンスが入っていました。まわりにも、本気で入りたいというより、就活に場慣れするための"お試し就活"で受けている人が多かった。履歴書もいらないし、簡単に応募できたので」
2018年に同志社大学を卒業した小野松健太氏は、そんな軽い気持ちでキーエンスの門を叩いた。履歴書も、ESもいらない。ふるいにかけられるのは書類ではなく、自分自身だった。
「1次面接は衝撃でした。大阪の本社の大きな部屋に面接官が2人1組で並んでいて、30〜40人の受験者がずらっと列を作っている。呼ばれたら20秒で自己PRして、『はい次』と流されていく。完全な流れ作業で、AKB48の握手会みたいだなと思いました。私は『小野松健太、同志社大学経済学部から来ました。人力車を引くバイトをやっていたので、体力には自信があります』とPRしました」
1次を通過すると、次は「説得面接」が待ち受けていた。面接官2人に対して就活生4人という形式で、その場でお題が出され、1分以内に面接官を説得しなければならない。
「面接官から『私は海が好きですが、山を好きになるように説得してください』と言われました。相手の話をヒアリングしながら、その場で説得する。過去には『ユニバか、ディズニーか』というお題も出たようです」
続く3次面接では、ビデオカメラが回るなか「3要素面接」が課せられる。