教育

理系シフトに女子大・短大の苦境…二極化進む「大学」の存在意義

2026年6月4日


<span>理系シフトに女子大・短大の苦境…二極化進む「大学」の存在意義</span>

 少子化に歯止めがかからず、18歳人口はこの10年で10万人以上も減っておよそ109万人、2035年には100万人を切るという。この事態に大学関係者は戦々恐々となる一方、ここ数年で学部再編や年内入試の拡充など時代のニーズに合わせた変革が活発化している。(株)大学通信取締役の井沢秀氏が最新動向を解説する。

全国の大学で進む「理系シフト」、だが小規模大学では定員割れ続出

 近年、日本の大学入学者数は62万~64万人程度で横ばいに推移してきた(2025年度は64万8430人)が、2026年に18歳人口の減少率が大学進学率の上昇を上回り、以後は長期的に減少の一途を辿る見通しだ。文部科学省の推計によれば、2040年には約46万人、2050年には約43万人まで目減りするという。

 こうした中、学生確保のために各大学がやっきになって進めているのが学部再編である。ひとつの契機となったのは、文科省が2022年度の補正予算で3002億円をかけ創設した「大学・高専機能強化支援事業」。これは文科省が「デジタル」「グリーン」など成長分野の人材育成を進めるために2023年から公募を始めるというもので、選定されれば学部再編の準備や開設の経費の支援を受けることができ、原則として新学部の設置や定員増ができない東京23区内の大学にも特例が認められる。

 これを追い風として多くの大学が理系分野重視の学部再編にチャレンジし、2023年度から2025年度にかけて支援1(学部再編等による特定成長分野への転換等/公私立大対象)と支援2(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化/国公私立大・高専対象)をあわせて250件以上が選定された。たとえば2025年度には秋田大学が情報データ科学部、山形大学が社会共創デジタル学環、神戸大学がシステム情報学部、帝京大学が理工学部のデータサイエンス学科、関西大学がビジネスデータサイエンス学科、松山大学が情報学部を新設。大規模な再編の例としては金沢工業大学が従来の4学部12学科から6学部(工学部、建築学部、バイオ・化学部の基幹3学部と、情報デザイン学部、メディア情報学部、情報理工学部という情報系3学部)17学科へと改組した。

 また、もともと工学部に情報工学科を置いていた東京理科大学が2026年度に創域情報学部、理学部第一部に科学コミュニケーション学科を新設。2027年度に向けて青山学院大学が青山キャンパスにおける初の理系学士課程「統計データサイエンス学環(仮称)」の設置を構想するなど、学部再編の動きは今なお続いている。……

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