カルチャー

連載小説:裂けた明日 第6回

2021年6月5日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

自分を頼って逃げ延びてきた旧友の娘と孫。信也は二人の命を救うため、逃亡を手助けしようと心に決める。

2

 白み始めた九月の空の下を、東に向かって走った。

   阿武隈川にかかる安達ヶ橋を渡った。次は県道六二号をめざすのだ。原町二本松線とも呼ばれている道路だ。進むにつれ、道路は少しずつ山間部に入った。……

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