カルチャー

安禄山――「逆臣」か「聖人」か(下)

2021年6月26日


<span>安禄山――「逆臣」か「聖人」か(下)</span>
玄宗(左)の寵をえた安禄山(右)だったが、反旗を翻した

 

 安禄山は8世紀初頭に生まれた。史料の記録がまちまちで、精確な生年はわからない。唐の太宗と同じである。漢字の姓名ながら、漢人ではない。これも太宗と同じながら、種族は異なる。かれはソグド系突厥人であった。生まれたのはモンゴル高原ともいわれるが、定説はない。

安禄山の登場とその背景

 ソグド人とは、中央アジアのアム河とシル河にはさまれた流域に点在するオアシス都市出身のイラン系種族である。この地域は乾燥草原地域ながら、紀元前6世紀ころから灌漑農業が発展して、サマルカンドやブハラなどをはじめとするオアシス都市が栄え、ソグド人の地という意味で「ソグディアナ」と呼ばれる。いわゆるシルクロードのど真ん中に位置し、ユーラシアの交通の十字路であった。

 ソグド人は近隣の遊牧民と共存してきた。農地に定住する者もいれば、遊牧民と農産物の取引に従事する商人もいたし、また遊牧民化し軍人になる人々もいた。後二者の活躍の舞台は、シルクロードの東西におよぶ。……

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