カルチャー

連載小説:裂けた明日 第10回

2021年7月3日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

自衛隊の特殊車両で追っ手を振り切り、辛くも逃れた三人。一路、富岡駅を目指すが――。

 その自動車整備工場は、富岡町の市街地のはずれという場所にあった。

 いましがた県道一一二で阿武隈高地を東に下り、太平洋側に近い平地部に入ったところで右折して県道三五に入った。一一二は三五と一部区間が重なるが、すぐに三五から分かれて富岡町の市街地に入り、富岡駅近くの国道六号との交差点で終わる。……

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