カルチャー

連載小説:裂けた明日 第20回

2021年9月11日

内戦により、分断された日本。相次ぐ震災と原発事故、そして例の病気の蔓延で、国民の生活は壊滅的な影響を受けていた。家族を亡くし一人暮らす男の元へ、逃亡者が現れる――。<作家の眼が、現実を鋭く照射する。近未来の分断日本を描く、スリリングなSF長篇>

真智の仲間からの連絡を待ちつつ、移動の便のいい吉祥寺へやって来た三人。荒れた街の様子を目にした信也は、過ぎ去った年月に思いを馳せる。

[承前]

 国内資本のファーストフードの店に入り、それぞれ軽食を注文して二階に上がった。この時刻、制服姿の学生もいない。わりあい空いていた。プラスチックの椅子はどれも汚れ、縁が欠けるほどに劣化していた。

 三人とも注文の品をすべて食べ終え、残ったドリンクをなめるように口に入れているとき、真智のスマホの振動音が聞こえた。真智はリュックからスマホを取り出すと、電話です、と言って立ち上がり、階段の下り口まで歩いた。……

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