カルチャー

「新しい資本主義」を導く「ネット・ポジティブ」という視点

2021年11月21日


<span>「新しい資本主義」を導く「ネット・ポジティブ」という視点</span>

「資本主義の限界」と「気候変動」を分けて議論することはもうできない。環境負荷を埋め合わせ、さらにプラスの効果も生み出す「ネット・ポジティブ」を実践したユニリーバ社元CEOが提出する「企業が追究すべき究極の問い」。

 本書『Net Positive: How Courageous Companies Thrive by Giving More Than They Take』は、ユニリーバ社の元CEO(最高経営責任者)でありSDGsに関する国連の活動にも数多く携わっているポール・ポルマンと、『ビッグ・ピボット なぜ巨大グローバル企業が〈大転換〉するのか』(英治出版)などの著作があるアンドリュー・S・ウィンストンの共著である。

 食品や化粧品などを中心とした世界有数の消費財メーカーであるユニリーバ社は、環境配慮などサステナビリティ施策の点で先進的な取り組みを続けている企業としても知られている。他社に先がけて2010年には成長とサステナビリティ(持続可能性)を両立するビジネスプランである「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン(USLP)」を制定し、10億人以上の人々の健康と幸福(well-being)を増大させるといった目標を掲げた。

 本書は、ユニリーバ社の実例を交えながら、「良い企業とは何か」の再定義を試みる一冊である。

ネット・ポジティブとは何か

 SDGsという言葉をメディアで聞かない日は無く、サステナビリティという概念は広く知られている。しかし、例えば二酸化炭素の排出量と吸収量を差し引きゼロにする「カーボン・ニュートラル」という概念が象徴するように、持続可能性とはプラスマイナスの影響をゼロにする事だとイメージする人は多いのではないだろうか。……

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