社会

“高級化”“階級浄化”が進む東京都「アフォーダブル住宅政策」は成功するか

2026年6月15日


<span>“高級化”“階級浄化”が進む東京都「アフォーダブル住宅政策」は成功するか</span>
ウィーン北部にある「赤いウィーン時代」を象徴する有名な公営住宅複合施設「カール・マルクス・ホフ・アパートメント・コンプレックス」(photostar72/shutterstock.com)

日本語では「高級化」「富裕化」「階級浄化」などと訳される「ジェントリフィケーション」。都心の住宅価格高騰により、中低所得層が郊外への居住を余儀なくされることで起きる、地域コミュニティの消失や社会的多様性の欠落を指す言葉だ。解決の鍵となると言われているのが東京都も取り組む「アフォーダブル住宅」だが、まだまだ課題が山積だという。

住宅価格高騰で懸念される「ジェントリフィケーション」

 東京の住宅価格高騰は、もはや不動産市場だけの局所的な問題にとどまらない。中間所得層が都心から排除されることで、都心機能の維持や子育て環境、さらには社会の分断にまで影を落とし始めている。

 いまや東京では、新築マンションの価格が歴史的な高水準に達し、都心6区では平均2億円を超えた。住宅価格の上昇は賃貸住宅にも波及し、都心エリアの一般的な給与所得者は住宅の購入はおろか、適切な賃貸住宅を確保することさえ容易ではない。こうした価格上昇は東京郊外へも波及しており、中間所得層の居住コスト負担は重くなるばかりである。

 最近では、日中関係の悪化などを背景に、海外投資家による不動産購入の勢いが衰えたとの指摘もある。しかし、それでもなお価格上昇が続いている事実を踏まえると、現在の高騰が単なる海外資金の流入によるものだけではないことを物語っている。

 そこで目を向けるべきは、東京の経済構造の変化である。

 価格高騰の根底にあるのは、東京への高所得層の集中である。日本全体では経済成長が低迷しているが、東京では情報通信、金融、コンサルティングといった高付加価値サービス産業への高度人材の集積が進んでおり、高所得層も着実に増加している。

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