カルチャー

少数民族のロシア連邦――「ロシアンティー」の源流をたどる旅3|タタールスタン共和国

2021年8月7日


<span>少数民族のロシア連邦――「ロシアンティー」の源流をたどる旅3|タタールスタン共和国</span>

中国から欧州にいたるかつての交易路「茶の道」をたどりつつ、ロシア連邦内の少数民族の現状をレポートする。カルムイク共和国、ブリヤート共和国という二つの仏教国に続いて訪れたのは、イスラム教徒が多く暮らすタタールスタン共和国。

 

ロシアで最大の“少数民族”

 タタールと聞いて読者の皆さんは何を思い浮かべるだろう。タルタルソースや、タルタルステーキ(生肉)、韃靼そばなどだろうか。あるいは高校の世界史で「タタールのくびき」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれない。いずれにしてもあまり馴染みがないという人のほうが多いと思うが、実はタタール人は、ロシア連邦ではロシア人に次ぐ人口を抱える最大の“少数民族”で、全国に約800万人が暮らしている 。(なお、タタール、韃靼は時代や場所により様々な民族のことを指しており、文中ではタタールスタン共和国の基幹民族たるヴォルガ・タタール人を指す。)

 タタールスタン共和国の首都はカザン。青色が美しいクル=シャーリフ・モスクが街のシンボルである。2013年にユニバーシアード大会が開催されて以降は、急速に街の近代化が進む。

 カザンでまず驚くのは、タタール語の通用度である。地下鉄やバスに乗ると、まずロシア語、次にタタール語、最後に英語のアナウンスがなされる。街中の看板などでほぼ見かけることのなかったブリヤート語とカルムイク語とは対照的である。タタール語の新聞も発行されており、街中でタタール語を耳にする機会も多い。……

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