サラリーマンを卒業してから、国際人道支援NGOピースウィンズの「見習い」を始めた。今回はUSAID(アメリカ国際開発局)凍結が日本のNGOにもたらした混乱について、事態は流動的ながら、書ける範囲で記してみたい。
トランプ政権がUSAIDの解体を進め、2月末までに世界各地で進めてきたプロジェクトの90%を中止することを決めるなか、その影響は日本のNGOにも及んでいる。
1月下旬、大統領令を受けて、ピースウィンズにも「USAIDの活動を90日間停止する」というメールがUSAID事務局から届いた。ピースウィンズはこの時、USAIDをはじめとするアメリカの対外資金援助を受けてイラクとケニア、日本国内で事業を行なっていた。イラクでは3万人以上のシリア難民に職業訓練を行い、仕事に就けるよう必要な道具を貸し出すプロジェクトを行なっていた。ケニアでは、アメリカの助成を受けたUNICEF(国連児童基金)の委託団体として難民キャンプで暮らす人々が安全な水を手に入れられるよう給水事業などを行なってきた。そして日本国内では後述するような防災事業を行なっている。3事業合わせて年間4億円規模の大きなプロジェクトなだけに、海外事業部は対応に追われた。
なにせ最初に届いたメールは「活動一時停止」というだけで、90日間の停止の間、現地スタッフの雇用などどうすればいいのかわからない。問い合わせをしようにも2月1日にはUSAIDの公式サイトがアクセス不能になり、担当者のメールも使えなくなった。2月4日にはUSAIDの海外駐在員に対して30日以内の帰国を命じる通知が届いたという。資金援助がなければ事業継続が難しいため、NGOによっては涙をのんで現地スタッフを即刻解雇したところもあったが、ピースウィンズは事前通告など現地の労働基準法を守りながら対応を手探りしている。……