※本稿は「週刊新潮」別冊【「輝ける20世紀」探訪(2016年刊行)】に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書は当時のものです。
グリコ・森永事件とは
1984年3月18日、「江崎グリコ」社長の江崎勝久氏が3人組の男に誘拐された。犯人は身代金10億円と金塊100キログラムを要求したが、江崎社長は監禁されていた倉庫から自力で脱出。「かい人21面相」を名乗る犯人はグリコだけではなく丸大食品、森永製菓など食品会社を次々と脅迫。
《どくいり きけん たべたら 死ぬで》
と書かれた青酸入りの菓子をスーパーなどにばら撒き、国民をパニックに陥れる一方で、警察やマスコミには挑戦状を送りつけ、「劇場型犯罪」と言われた。翌年1月10日には犯人の1人とされる「キツネ目の男」の似顔絵が公開されたが、同年8月に送った挑戦状で犯行終結を宣言。1994年に江崎社長誘拐事件が時効を迎え、2000年2月13日午前0時には、警察庁広域重要指定114号「グリコ・森永事件」の完全時効が成立した。 グリコ・森永事件の犯人グループの1人とされる「キツネ目の男」を目撃した大阪府警捜査一課特殊班所属の7人の刑事。キツネ目の男はどのようにして彼らの前に現れ、そして、捜査の網をすり抜けていったのか。以下は現職を退いた刑事らが明かす、秘話の数々である。……