※本稿は「週刊新潮」2022年7月21日号に掲載された特集を元に再構成したものです。また、年齢や肩書、年代表記等は当時のものです。
普通に行けば交差しなかった二人の人生
「ママ―、ママー」
華やかなりしバブル景気を迎える直前、1980年代前半のことである。東大阪市にある住宅街の一角で泣き叫ぶ赤ん坊の姿があった。
母親は宗教にのめりこみ、外出したまま帰らない。自宅前の路上で一人彷徨うその男の子は、久しく替えられていないのか、おしっことうんちの重みでおむつが大きく垂れ下がり、下半身が丸見えになってしまっていた。……