社会

「やり残したことは何もない」伸子夫人が語る「菅直人元首相」認知症の日々

2026年5月2日


<span>「やり残したことは何もない」伸子夫人が語る「菅直人元首相」認知症の日々</span>

 振り返れば、激動を駆け抜けた宰相であった。2010年6月から11年9月までの約1年3か月、民主党政権のトップとして第94代内閣総理大臣を務めた菅直人元首相である。未曾有の東日本大震災への対応は物議を醸し、24年に政界を引退した。そして、いまは認知症を患い、静かな日々を送っているという。伸子夫人が元首相の生活ぶりを明かす。

認知症の診断を受けた経緯とは

 政界を引退する少し前くらいから、認知症の兆候が出てきているような気がしました。息子と短時間の間に何度も同じやり取りを繰り返して「親父、これもう3回目だよ!」とかそういった会話が増えた気がしたんです。その前の選挙の時は全然元気で、本人も「もう1期やる!」と仕事に対して前向きでしたが、23年頃にはそういう状態になってしまいましたので、次の世代にバトンを渡すという意義もありますし、政界を引退することになりました。

 政界を引退してから少し経った頃、血糖値があまり良くなくて通院していたかかりつけの病院にかかった時、主治医が物忘れのエピソードや主人の様子を見て「うちで診てもらった方が良い」と認知症科を紹介してくれたんです。そこで「認知症」の診断を受けました。政界引退前くらいから、息子も私も何となく気づいてはいましたが……。

 囲碁が趣味だったので、政界を引退してから、来客時には碁盤を持ってきて対局したり、1人の時はパソコンの囲碁ができるゲームソフトで遊んでいたりしていました。しかし去年の8月、用事があって1人で三鷹駅に出掛けた際に、雨で足元が悪かったのか何もないところなのに、1人で勝手に転んでしまったんです。とても痛かったらしく、主人から私に「転んで動けない」と電話がかかって来て、すぐ駆け付けたものの、骨が折れていてどうしようもない状態でした。救急車を呼び、そのまま手術をして1週間の入院となってしまいました。左足の「大腿骨転子部」という箇所を骨折していたみたいで、退院してからも、3週間は別のリハビリの病院に入院しました。

 その後は、何とか杖を突いて一人で歩行できるようになり、今は家や外では1人で歩いています。しかし、時々痛むこともあるみたいで、「今日はちょっと痛い」とこぼすこともあり、怪我の後から囲碁はやらなくなってしまいました。さらに、怪我の影響と認知症が合わさって「要介護3」という認定を受けています。デイサービスにも週2回通っていて、そこで歩行のリハビリをしてもらっています。……

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