SNS事業者の責任をどう明確化するか
今年1月、こども家庭庁に「青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ」が発足し、私もその座長として参加しております。月に1回のペースで開催されており、既に3回の会合を重ねました。夏頃までに一定の結論をまとめる予定です。
このワーキンググループが発足した背景には、世界的なSNS規制の潮流があります。海外では未成年のSNS使用を制限・禁止する法整備が急速に進んでおり、日本でも現行の「青少年インターネット環境整備法」を抜本的に見直す必要があるとの認識が高まってきました。
現行の同法は、人々がまだガラケーを使っていた平成20年(2008年)に制定されたものです。当時の想定リスクといえば、性的・暴力的なコンテンツのような有害サイトが中心でした。また、この法律が主に照準を合わせていたのは、携帯電話会社で、携帯電話の契約の際に有害サイトを見ることができないようにするフィルタリングを設定するよう求めていました。しかし、今日のスマホ時代では、携帯電話会社ができることは限られています。また、青少年に対するリスクとして、「コンテンツ」だけではなく「機能」も問題とされるようになっています。
「無限スクロール」や「おすすめアルゴリズム」といった設計機能が、青少年のSNS依存を促し、メンタルヘルスの悪化につながっているのではないか——そうした新たなリスクについて、現行法は手当てができていません。AIの利用に関するリスクも同様です。ワーキンググループでは、こうした多様化するリスクにいかに対応するかを主要な論点のひとつとして議論しています。
今回の検討で特に重要な論点だと考えているのが、SNS事業者の社会的責任の明確化です。現行法には、青少年の保護においてSNS事業者が担うべき役割について、実質的な記述がほとんどありません。そこで今回は、その役割と責任を条文に明確に盛り込むべきだと考えます。