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Vol. 4

気をつけろ「佐川君」が歩いている【プレイバック「週刊新潮」が報じた事件戦後史】

2026年5月1日


<span>気をつけろ「佐川君」が歩いている【プレイバック「週刊新潮」が報じた事件戦後史】</span>
逮捕されたのは当時32歳だった日本人留学生・佐川一政

 世間を賑わす「大事件」について、詳しく取材を進めていくと、時に世の常識では測ることのできない、人間の「本質」が浮かび上がることがある――。1981年にフランスで当時25歳のオランダ人女性留学生が射殺され、肉を食われるという異様な事件が発生した。いわゆる「パリ人肉事件」である。逮捕されたのは当時32歳だった日本人留学生・佐川一政だが、彼は帰国後に都内の精神病院に入れられたあと、1年半足らずで退院してしまう。なぜ、佐川は世間を震撼させた「猟奇殺人事件」を起こしながら、最後まで罪に問われなかったのか。背景を取材した当時の「週刊新潮」特集記事を振り返る――。

※本稿は『あのスキャンダルの裏側――「週刊新潮」が報じた事件戦後史』の一部を抜粋/編集したものです。「週刊新潮」1985年11月7日号に掲載された特集が元となっており、プライバシーへの配慮から一部は匿名となっています。また、年齢や肩書は当時のものです。

留学先・パリのアパートでオランダ人女性を殺害

 一度人肉の味を覚えてしまうと、それからは人間を恐れなくなる……。というのは「人食い虎」にまつわる言い伝えである。では「人食い人間」の場合はどうか?

 パリ人肉殺人事件の犯人・佐川一政君(36)は、いまだにその「人食い願望」を断ち切れずにいるようなのだ。佐川君が収容されていた都立松沢病院は「これ以上治療する手だてはない」として彼を退院させてしまった。つまり「人食い願望」は病気ではないから治しようもないというわけなのだ。が、同じ事件が日本で起っていたら、彼は間違いなく死刑だという。

「どうして人の肉を食べてはいけないの? 先生」……

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