国際

道化師ボリス・ジョンソンを笑えなくなったイギリス社会(下)

2022年7月21日

道化師が去った舞台で再び政治ショーが始まった。次期首相を決める保守党党首選はスナク前財務相とトラス外相が9月の決選投票に進むことになったが、ジョンソン首相も復権を狙っているという。(こちらの前編へ続きます)

 

 英国を代表する憲法学者でオックスフォード大学名誉教授のヴァーノン・ボグダナーも、ボリス・ジョンソンにポピュリズムを見る。『テレグラフ』紙への寄稿で、彼はジョンソンを「ポスト2008年政治の産物」と位置づけた。

 2008年は、リーマン・ショックに端を発した世界金融危機の年である。新自由主義と市場万能の発想が生んだこの危機の後には、社会民主主義の時代が到来すると、当初は予想された。しかし、ふたを開けると、実際に台頭したのは社会民主主義ではなく、ナショナリズムとポピュリズムであった。「理念」(アイデア)の政治から「アイデンティティー」の政治への転換が起きたのである。

 この波に乗って、国家や地域のアイデンティティーをしきりに強調した政治家の1人が、ボリス・ジョンソンだったという。……

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