世界広しといえど、飲用できる水道水を一般家庭へ供給できている国は、わずか11カ国しかないという。中でもトップクラスの安全性を誇る日本の水が、今や危機に瀕している。
元凶は「PFAS(ピーファス)」。約1万種あるとされる有機フッ素化合物の総称だが、もともと自然界には存在せず、分解されにくいため、「永遠の化学物質」とも呼ばれている。恐ろしいのは、水などを介して人体に取り込まれると、臓器などに蓄積されてしまうことだ。
WHOや米国の学会などでは、PFASがもたらす健康リスクとして、発がん性や高コレステロールを伴う脂質異常症、乳児・胎児の発育低下などが指摘されている。そんなPFASの中でも、特に有害性が高いとされるのは、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS〈ピーフォス〉)と、ぺルフルオロオクタン酸(PFOA〈ピーフォア〉)と呼ばれる二つの化学物質。国際条約の規制対象で、日本でも輸入や製造が禁止となっているのだ。
深刻なのは、これらの化学物質が、全国各地の河川や地下水などの「水源地」で相次いで検出されていること。しかも、国の定める暫定目標値よりも、はるかに高い濃度で残留しているというのである。……