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Vol. 2

本当に効果のある「浄水器」は? 煮沸も効果ナシ「水道水のPFAS汚染」から身を守る「必読マニュアル」

2026年5月2日


<span>本当に効果のある「浄水器」は? 煮沸も効果ナシ「水道水のPFAS汚染」から身を守る「必読マニュアル」</span>

 日本を取り巻く「PFAS汚染」。暮らしを支える水道水が、「発がん性」のリスクを持つ化学物質に侵されている実態が明らかになりつつある。日本政府の動きが鈍い中、なんとかわが身を守るすべはないのか。その最善策をお届けする。

 全国各地の河川や地下水などが、「PFAS(ピーファス)」と呼ばれる化学物質によって汚染されていることが、日々刻々と明らかになりつつある。

 PFASとは、1万種類以上あるとされる有機フッ素化合物の総称である。

 自然界には存在せず、分解されにくい性質のため「永遠の化学物質」とも呼ばれているが、人類にとって最も厄介なのは、一度でも体内に入ると、数々の健康リスクが生じることだ。

 日本におけるPFASの汚染実態をいち早く調査、研究してきた京都大学名誉教授の小泉昭夫氏が言う。

「人体の中でも分解することができない性質のため、PFASは血液の中の異物を除去してくれるはずの腎臓からの排出も悪く、また肝臓から胆汁として排出されても腸管で再吸収される『腸肝循環』が起こってしまいます。日常的にPFASを摂取し続けていると、ほぼ排出されることなく、たまっていく一方なわけです。仮にPFASの摂取を止めることができたとしても、体内に取り込まれたうちの95%を排出するのに、およそ40年もの時間がかかるという試算もあるほどです」

 かような化学物質が体内に残留してしまえば、健康に良いはずがないのは明らかだろう。具体的には、どれほどの量が蓄積されると人体に影響が出るのか。

 その指標になるのが、PFASの血中濃度である。

「2022年に米国科学アカデミーが約5000本の論文をもとにまとめた臨床医向けのガイダンスによると、7種類のPFASの血中濃度を足した値が、1ミリリットルあたり20ナノグラム以上の人は、脂質異常症のスクリーニングや腎臓がんの評価が必要とされています。人体への毒性に関しては、かつての水俣病やアスベストのように、激しい症状が突然出ることはありませんが、大規模な疫学調査を行うと、明らかに人体へ悪影響が及ぶことが各国で確認されているのです」(同)

「発がん性」まで

 これまでに判明している健康リスクだけでもあまたある。まずコレステロール値の上昇に伴う脂質異常症、そして免疫機能の低下や妊娠しにくくなるなどの影響、胎児・乳児に見られる低体重などの発育低下。さらに懸念すべきは、腎臓などの内臓への「発がん性」が指摘されていることである。

 再び小泉氏に聞くと、

「腎臓がんリスクの増大に関して言えば、昨年11月にWHOのがん専門の機関であるIARC(国際がん研究機関)が、PFASの一つであるPFOA(ピーフォア)について、ヒトへの発がん性物質(グループ1)であることを認定しています。このグループに分類されたということは、ダイオキシンやアスベストと同じで、確実性をもって発がん性を有していることになります」

「週刊新潮」7月4日号(6月27日発売)は「日本の水が危ない!」と題し、現時点で判明している全国141カ所のPFAS「汚染ハザード」一覧マップも掲載し、PFASに汚染されている各地の実態、健康リスクに脅える人々の声を紹介した。……

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