11月8日付1面に掲載された社説は、26日実施予定の地方選挙を取り上げた。8月末に改正された選挙法に基づいて実施される選挙では、「国家と人民に良心で、信念で、真心で仕えることができる人、わが党、わが国家、わが人民のために一つでもより有益で素晴らしい仕事を見出して実行する人だと確固として認められる代表が代議員に選出されることになる」と述べられた。改正選挙法の全文はまだ公表されておらず、この社説の記述だけでは具体的な改正点が分からない。
スクリーニングで党と最高指導者への忠誠心競争
この件について詳しく報じているのは、政府(最高人民会議常任委員会及び内閣)機関紙『民主朝鮮』である。北朝鮮国内では『労働新聞』のように重視されていないが、われわれの分析対象としては重要である。『民主朝鮮』は、選挙準備の様子について連日のように報じ、10月18日付、20日付、21日付には選挙法についての「法規解説」が掲載された。今月の地方選挙を経て、来年3月には第15期最高人民会議代議員選挙も実施される見込みであることから、ここで簡潔に整理しておきたい。
「法規解説」冒頭では、「すべての幹部は、いつでも『人民』という二つの文字を心に刻み、人民が望んで好むことにすべてを捧げなくてはならず、人民が苦しんでいる問題、人民が要求する問題を解決してやることで真のやり甲斐を感じなくてはなりません」との金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の「お言葉」が紹介されている。
従来の選挙法と大きく異なるのは、本選挙前の候補者選定を投票によって行う、スクリーニングの段階が部分的に導入されたことである。代議員候補者の推薦には「固定指標対象」と「選抜指標対象」があり、前者はこれまでと同じく最初から1選挙区に1人だけ候補者を立てるようだが、後者は「選挙区に地域別、部門別、職業別、職級別、男女別のバランスを保ちながら2人を決める原則で、代議員定数より多く選抜する」ものだという。その後、「選挙人会議」を通じて代議員としての資格があるかを審査するというが、その基準は「党と首領に対する忠誠心や純潔な良心と道徳的義理を大切にし、党の領導を忠実に報じていく公民、党中央の絶対的権威を百方で擁護保衛して党の構想を実現していくための闘争で高い党性、革命性を発揮し、党政策貫徹で無条件の執行精神と頑強な実践力を発揮していく公民」などとされる。候補者選定の段階において一部競争原理が導入されるものの、その内訳は支配政党たる朝鮮労働党と最高指導者への忠誠心競争だということだ。……
