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「最終完結版ICBM」火星19の発射を3ページにわたって特集(2024年10月27日~11月2日)

2024年11月5日


<span>「最終完結版ICBM」火星19の発射を3ページにわたって特集(2024年10月27日~11月2日)</span>

昨年12月18日以来となる10月31日のICBM発射は、大局的には兵器開発の進捗に合わせた実験だったと見られる。翌日の『労働新聞』は3ページにわたって実験の内容を詳細に説明した上で、今回の「火星19」が「最終完結版ICBM」であると位置づけた。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 朝鮮中央通信は、10月31日朝にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した事実についての国防省代弁人発表を異例の速さで報じた。発射実験に立ち会った金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、今回の発射は「意図的に地域情勢を激化させて共和国の安全を脅かしてきた敵どもに、われわれの対応意志を知らせることに徹底的に符合する適切な軍事行動」であり、「戦略的な攻撃兵力を不断に高度化している路程で必須の工程」だと説明付けた。示威活動であり、兵器開発の一環だということである。そもそもICBMは米国の「脅威」に対抗するためのものであるため、当然米国大統領選挙も意識した発射であったろうが、大局的には兵器開発の進捗に合わせた実験と考えるべきであろう。

 今回のICBM発射実験の意味は、翌11月1日付『労働新聞』で3ページにわたってさらに詳しく説明された。発射した「火星砲19」型の最高高度は7687.5km、飛行距離1001.2km、飛行時間は5156秒(85分56秒)であり、日本海(「朝鮮東海」)公海上の「予定目標水域」に着弾したという。いつも通り「周辺国の安全にいかなる否定的影響も与えなかった」ことも付記された。

 重要なのはこの「火星砲19」型が「最終完結版ICBM」だと位置づけられたことである。北朝鮮は、2017年11月29日にICBM「火星15」を発射した際、「国家核武力の完成」を宣言した。翌2018年の元日から金正恩は韓国への対話攻勢を仕掛け、それは史上初の米朝首脳会談に繋がった。しかし、対米交渉が不調に終わるやミサイル開発はさらに急ピッチに進められ、大型化して飛距離を伸ばした「火星17」は2022年2月から延べ8回の発射実験が行われた。昨年4月、7月、12月には固体燃料推進方式の「火星18」も発射された。今回は昨年12月18日以来のICBM発射である。北朝鮮は偵察衛星の打ち上げは失敗を繰り返している一方、ICBMは「完結版」に至るまで順調に実験を重ねてきたと言える。記事では「お子さま」への言及がないものの、第1面には金正恩と娘のツーショット写真も掲載された。

 11月2日付は、1日付の北朝鮮外務省代弁人声明「敵対勢力の軍事的脅威を抑止して地域で力の均衡を維持するための実践的努力をさらに増大させていくだろう」を掲載した。「火星砲19」型の発射実験は、「徹頭徹尾、主権国家の合法的かつ正当な自衛権行使」だとの従来主張を繰り返した。……

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