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外交委員補選人事は「外交活発化」の兆しか 冷戦期を彷彿とさせる国際情勢分析も(2025年1月19日~1月25日)

2025年1月27日


<span>外交委員補選人事は「外交活発化」の兆しか 冷戦期を彷彿とさせる国際情勢分析も(2025年1月19日~1月25日)</span>

最高人民会議第14期第12回会議で憲法の一部が改正されたが、内容は裁判所と検察所の名称変更に留まる。人事面では3年4カ月ぶりに外交委員の補選が報じられた。トランプ再登場による「対米シフト」と見るのは難しい人選だが、金正恩政権が外交を活発化させる兆しの可能性はある。20日付の署名入り解説記事では、冷戦期を彷彿とさせる国際情勢認識が示された。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】

 1月24日付は、22日、23日の両日に開催された最高人民会議第14期第12回会議について報じた。北朝鮮憲法第90条は最高人民会議の任期を5年間と定めており、本来であれば昨年3月に代議員選挙が行われ、4月には第15期がスタートしていたはずであるが、理由説明が一切ないまま任期が延長され、今回の開催に至っている。

 議題は、①内閣の2024年事業状況と2025年の課題について(朴泰成[パク・テソン]内閣総理による報告)、②2024年国家予算執行の決算と2025年国家予算について(リ・ミョングク財政相による報告)、③建材工業法を審議採択することについて(姜潤石[カン・ユンソク]最高人民会議常任委員会副委員長による報告)、④浅海養殖法を審議採択することについて(同)、⑤中央裁判所の2024年事業状況について崔根英[チェ・グニョン]中央裁判所所長による報告)、⑥社会主義憲法の一部条文を改正することについて、⑦組織問題(人事)であった。憲法第132条に基づき、昨年末に内閣総理に就任した朴泰成による宣誓も行われた。

 会議に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は出席していない。そもそも今期から代議員ではなくなっており、施政演説を行う際に出席するのみとなっている。

 昨年の成果としては、金正恩政権が重視する人民経済発展の12の生産課題のうち、圧延鋼材は143%、石炭は115%、非鉄金属は107%、窒素肥料は104%、セメントは102%、布地は108%の成長があったと報告された。住宅建設や温室農場の竣工、国際スポーツ大会での活躍ぶりなど各分野での成果が概括的に列挙された。

 今年は「地方発展20×10政策」にもとづいた地方工業工場建設と、平壌(ピョンヤン)市における5万世帯の住宅建設などが重要建設対象として挙げられた。これまでと同様に防疫事業費に対する言及もあり、予算は昨年比100.2%であることが明らかにされた。

 予告通り憲法の一部改正も行われたが、中央裁判所と中央検察所の名称をそれぞれ最高裁判所、最高検察所に変更するに留まった。昨年10月7日、8日の両日に開催された第11回会議で韓国を「徹底的な敵対国家」と規定する憲法改正があったものと思われるが、今回は対韓・統一政策に関する改正は行われなった模様である。

 人事面では、朝鮮社会主義女性同盟中央委員会委員長の全香順(ジョン・ヒャンスン)が最高人民会議常任委員会の委員となり、金徳訓(キム・ドックン)朝鮮労働党中央委員会経済部長が最高人民会議予算委員長を担うことなどが発表された。

 筆者が注目したのは、2021年9月以来、3年4カ月ぶりに最高人民会議外交委員会の人事について報じられたことである。前述の姜潤石最高人民会議常任委員会副委員長のほか、チョン・ミョンス内閣副総理、尹正浩(ユン・ジョンホ)対外経済相の3人が委員に補選された。そのうち尹正浩は、2021年1月の最高人民会議第14期第4回会議で対外経済相に就任していたことから理解しやすいが、姜潤石は中央裁判所所長や最高人民会議法制委員会委員などを歴任し、チョン・ミョンスは昨年7月の党中央委員会第8期第10回会議で内閣副総理に抜擢された人物であり、外交委員会入りの背景が分かりづらい。……

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