今週もお疲れ様でした。イギリスではトラス新政権が減税を柱とする経済対策を発表してポンドが急落、激震が走りました。中東イランではヒジャブ着用をめぐる女性の死をきっかけにデモが拡大し、イスラム最高指導者ハメネイ師を頂点とする政教一致体制の正統性が揺らいでいます。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事6本、皆様もよろしければご一緒に。
How not to run a country【The Economist/9月28日付】
Markets are reeling from higher rates. The world economy is next【The Economist/9月29日付】
Financial markets enter a dangerous new phase【The Economist/9月26日付】
A reckoning has begun for corporate debt monsters【The Economist/9月27日付】
「英国では政府がエネルギー価格の上昇から人々を守るための大規模な支出計画を発表しているが、英国債の利回りの高騰とポンドの下落により、経済が市場の信頼を失う危険性があると観測筋の間で囁かれている」
……というのは、前回のTipsで紹介した英「エコノミスト」紙の9月21日付の記事「米国が利上げすれば他の国々が痛みを負う」の一節。そして“予言”は的中した。9月23日にポンドは急落を始め、27日には一時、1ポンド=1ドルのパリティを割り込む寸前まで落ちた。
そのマグニチュードは、発足したばかりのリズ・トラス政権が早くも揺らぐほど大きい。エコノミスト紙は9月28日付で「国家運営に不適切な方法」と題して、トラス首相とクワシ・クワーテン財務相による、財政面での裏づけの薄い景気刺激策やインフレ対策を酷評。「新政権として、記憶のかぎり最悪のスタートを切ったリズ・トラスがいつまで首相の座にいられるか、すでに国民の間では疑問視されている」とし、政権の立て直し策として新たな財政ルールの発表の前倒しや所得税減税の中止、エネルギー生産者への課税強化などを提言しつつ、次のように突き放している。
「新政権は最初の数週間で自らの評判をズタズタにし、インフレを加速させ、中央銀行を緊急措置に追い込み、成長のハードルをさらに高くした。その政権が1カ月後、2カ月後に何ができるのか、想像してみるといい」
もちろん、苦境に直面しているのは英国だけではない。……