今週もお疲れ様でした。今週は「変化」に注目し、日本の原発回帰と防衛力強化、米国の対中戦略における外交重視へのシフト、さらに欧米中心の国際秩序を根底から問うグローバル・サウスの台頭について論じた海外メディアを紹介します。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事4本、皆様もよろしければご一緒に。
Japan pivots back to nuclear power【Economist/1月12日付】
英「エコノミスト」紙は1月12日付の「原子力に軸足を戻す日本」で、原子力エネルギー政策が大きく変わろうとしていることを紹介している。
「富裕国クラブであるOECDの加盟国36カ国のうち、日本よりエネルギー自給率が低いのは、内陸にある小さなルクセンブルグだけだ。岸田[文雄]内閣は、[ロシア・ウクライナ戦争によるエネルギー危機という]今回の衝撃を、主に原子力発電の復活を正当化するために利用している。[中略]政府は原子炉の寿命を40年から60年へと延長し、新たな原子炉を建設する計画を発表している」
経済専門で保守色が強いとされるエコノミストだけに、岸田政権の原発シフトを肯定的に捉えるのかと思ったら、この記事はむしろ懐疑的とさえ感じられるスタンスで書かれている。
「岸田氏が計画している原子力発電所の復活は確実なものではない。原発の再稼働には規制や地元の認可が必要であり、中央政府はこれを回避できない。世論は原発を支持する方向に変わり始めている。[中略]原子炉の近くに住む人々の中には、原子炉とそれがもたらす補助金が維持されることを望む人々もいる。しかし、不信感は広がっており、再稼働に反対する人も多い」
「日本に残る33基の原子炉のうち、再稼働したのは10基だけ。岸田氏は今年中にあと7基を稼働させたい考えだ。2030年の目標を達成するためには、さらに10基ほどが必要になる。多くのエネルギーの専門家は、これは不可能だろうと考えている」
日本の原子力発電に対するネガティブな見方の大きな根拠のひとつとなっているのが、原子力への先祖返りによって再生可能エネルギーへの進化が遅れるとの懸念だ。……