今週もお疲れ様でした。ロシア・ウクライナ戦争はまもなく、西側からの武器支援を受けたウクライナの攻勢が始まると見られています。しかし、その前にウクライナの「勝利」とは何であるのかを定義づける必要があると説くのは、米FP誌。フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事5本、皆様もよろしければご一緒に。
How to Benchmark Victory in Ukraine【Liana Fix/Foreign Policy/3月30日付】
「ウクライナは依然としてロシアのミサイルに狙われ、前線での戦闘は想像を絶するほど残酷だが、この戦争において考えうる道筋の幅は狭まっている。キーウが陥落することはなく、ウクライナがロシア軍に制圧されることもない。ロシアの冬季攻勢の失敗が明らかにしたように、ウクライナがすでに解放した領土を失うこともないだろう。しかし、戦場で何が起きるかについての見通しがより明確になったとしても、[ウクライナの]勝利が何を意味するかという点については、まだ戦略的に明確になっていない」
米外交問題評議会(CFR)の欧州研究員、リアナ・フィクスは米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌に「ウクライナにおける勝利のベンチマークをどう設定するか」を寄せ(3月30日付)、ウクライナ、そして支援国にとっての戦勝の定義が曖昧であることを指摘。戦争の終わりの姿がなかなか見えてこないのはそのためであり、具体的な危険性を次のように示している。
「ウクライナの支援国が勝利のベンチマークの設定に失敗すると、勝利するのはロシアだ。[中略。ウクライナ側が]勝利を定義せず、ひいてはロシアの敗北を定義しないことで、ロシアはウクライナの成功を否定し、ウクライナの勝利は達成不可能であると決めつけることができる。明確な目標がなければ、西側諸国の国民は戦争を長期的で不確定な闘争と認識するようになり、最終的にウクライナの道徳的優位と西側諸国自身の士気が損なわれることになる」
「今、欧米諸国がウクライナを武装化させているのは、春から夏にかけての攻勢に向けた最良の態勢を整えるためだ。その後、米国では議会で今後のウクライナ支援をめぐる交渉が行われ、大統領選の予備選が待っている。一方、欧州はエネルギー価格の高騰のなかで再び冬を迎える可能性がある。ウクライナへの支援は止まらないが、欧米の武器供与は今がピークとなるかもしれない」
「2023年がウクライナにとって最大のチャンス」だと見るフィクスは、「したがって、ウクライナと西側諸国は、この段階での勝利の基準を示す必要がある」とし、「今年のうちに達成できる可能性が高い暫定的な勝利をベンチマークとすることが、ウクライナと西側には必要だ」として、こんな提言を打ち出す。……