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51.0

米「リアル・ポリティクス」が考えるべき3層の「自由世界」

2022年5月27日

 今週もお疲れ様でした。バイデン米大統領の訪日とクアッド首脳会議を受けて、米「フォーリン・アフェアーズ」誌が「バイデンの自由世界戦略を機能させる方法」を掲載。「自由世界」を3層に分けて説明しています。新たな1週間を迎える前に、フォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディアの記事2本、皆様もよろしければご一緒に。Hope you have a great weekend!

Why We Need Davos Man Back【Michael Hirsh/Foreign Policy/5月26日付】

「まさか自分がこんなことを言うようになるとは思っていなかったのだが、ダボス・マンをゲームに復帰させる必要がある。「ダボス・マン」とは、2004年にサミュエル・P・ハンティントンが生み出した言葉で、[中略]毎年スイスのダボスで開かれる世界経済フォーラムに出席することを重視する、国境を越えたエリートたちのことだ」

 こう書き起こすのは、米「フォーリン・ポリシー」誌上級特派員のマイケル・ハーシュ。5月22~26日に世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が開催されたことを受けて「なぜダボス・マンの復活が必要なのか」(5月26日付)を寄稿し、これまで開かれ(かつ、自身も一度は出席した)ダボス会議を厳しく批判したうえで、次のように述べている。

「何十年にもわたってダボス会議はグローバライゼーションの過度な中央集権化を示す記念碑だった。しかし、ダボス会議が始まって50年以上経った今、世界は、どのような形であれ、再び求心力を必要としている。なぜなら国際システムは崩壊の危機に瀕しているからだ。ダボス会議は、過去の問題を含めて、この国際的なシステムを維持するためのものである」
「ロシアのウクライナ侵攻以来、過去10年間に世界中でドナルド・トランプやブレグジット、新たな権威主義者の台頭を招いたポピュリズムやナショナリズムの遠心力が過剰に働いている。国連や世界貿易機関(WTO)などの国際機関は的外れな存在になりつつあり、その改善に誰も手を付けようとしない」

 ポピュリズムと結びついた自国第一主義や新型コロナウイルスのパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻などによってグローバリゼーションの前提が各所で崩れつつある。これは大きな危機であり、立ち向かうためにはダボス会議にも意義や役割があるとの心境に、ハーシュは至ったようだ。

 かつては市場万能主義のもとで規制緩和と資本の自由を唱え、一方で格差や貧困、飢餓といった社会問題については偽善的な態度を取り続けてきたダボス会議とその参加者(「山の上の賢者」)たちも、「社会的・政治的な反動が自分たちの身に降りかかってくるまで気づくことができなかった」。だが、開催時期を1月から5月に遅らせて3年ぶりにリアルで開かれた今回の会議では、変化が見られたという。……

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