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ウクライナ戦争を支えるNATOの「険しい前途」

2022年7月1日


<span>ウクライナ戦争を支えるNATOの「険しい前途」</span>
大きな転換点を迎えたNATO(C)Gints Ivuskans/stock.adobe.com

 

 今週もお疲れ様でした。NATO(北大西洋条約機構)が首脳会議を開き、スウェーデンとフィンランドの北欧2カ国の加盟で合意し、中露への対抗姿勢を鮮明にした新しい「戦略概念」を採択しました。ウクライナ戦争によって加速する新冷戦時代の二極化の行方は――。新たな1週間を迎える前に、フォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディアの記事4本、皆様もよろしければご一緒に。Hope you have a great weekend!

Ukraine Is the Korean War Redux【Jo Inge Bekkevold/Foreign Policy/6月28日付】

「ロシアがウクライナに仕掛けた戦争と最も類似性が高いのは、歴史上のどの紛争だろうか。答えは間違いなく”朝鮮戦争”だ。起源も規模も異なるが、どちらの紛争も、世界規模での影響を持つ地域戦争であり、新たな双極の世界秩序への移行を先導し、加速し、強固なものにする」

 こう書き出すのはノルウェー防衛研究所の中国担当上級研究員、ジョー・インゲ・ベックボルトだ。米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌のサイトに6月28日付で公開された「ウクライナは朝鮮戦争の再来だ」で、彼は2つの戦争の類似点と相違点を挙げ、ウクライナ戦争が米中対立という新たな冷戦を深化させると予測する。

「1950年6月、北朝鮮軍が国境を越えて韓国に侵攻した。その後の3年間の戦争は、以後数十年にわたる朝鮮半島の分断の運命を決定づけただけでなく、世界秩序にも長期的な影響を及ぼした。[中略]朝鮮戦争によって、世界政治は米ソの分断に向かった。この戦争は、世界的な冷戦を激化させる大きな役割を果たし、また、NATO[北大西洋条約機構]を同盟として確固たるものにした」
「ウクライナ戦争は、そのような地政学的な再編成の始まりだ。この3、4年、中国の台頭をきっかけに、米中対立が新冷戦に発展するのではないかという議論が盛んに行われてきた。国際社会ではすでに二極構造の復活の兆しが見え始めていたのだ。しかし、この戦争は、米国・同盟国と中露枢軸との間の地政学的分裂を加速させ、決定的にする──朝鮮戦争が元祖冷戦に及ぼしたのと同じような影響を与えることになる」

 筆者ベックボルトによると、ウクライナ戦争が新冷戦にもたらす顕著な変化は4つある。……

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