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55.0

進展しない「米中デカップリング」

2022年6月24日


<span>進展しない「米中デカップリング」</span>
外交政策とは裏腹に……(C)peangdao/stock.adobe.com

 今週もお疲れ様でした。ロシアのウクライナ侵攻によってEUが中国に対する強硬姿勢に転じる一方、米中のデカップリングがそれほど大きく進展していないと伝えるのは、米FP誌。新たな1週間を迎える前に、フォーサイト編集部が週末に熟読したい海外メディアの記事5本、皆様もよろしければご一緒に。Hope you have a great weekend!

The European Union Is Turning on China【Elettra Ardissino、Eyck Freymann/Foreign Policy/6月23日付】

The U.S. and China Haven't Divorced Just Yet【Michael Hirsh/Foreign Policy/6月23日付】

What Money Can't Buy【Barry Eichengreen/Foreign Affairs/雑誌版7・8月号】

 米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌のサイトに2日続けて興味深い論考が登場した。「中国に背を向けつつある欧州連合」(6月23日付)および「米国と中国は今のところまだ離婚していない」(同22日付)だ。スーパーパワーあるいは経済圏として世界のトップ3を占める米国、中国、EUの関係性が台湾危機とウクライナ戦争によって大きく変わる今、そこにあらためて注目が集まっている証左だろう。

「EUの経済的・政治的な対中国エクスポージャーの引き下げを目指すブリュッセルの取り組みは、一部の加盟国でより強く支持されている。経済団体はデカップリングを阻止するために水面下で活動を続けるだろう。しかし、トレンドラインは明確であり、おそらく不可逆的だ。ウクライナ以前からすでにブリュッセルと北京との関係は冷え込んでいた。2022年は霜が降りた年として記憶されることになるだろう」

 そう結論づける「中国に背を向けつつある欧州連合」は、マクロ経済・地政学アドバイザリー企業、米グリーンマントルでアナリストを務めるエレットゥラ・アルディシーノとインド・太平洋担当ディレクターであるアイク・フライマンによる小論。2021年3月に欧州議会が中国国内の人権問題を理由として投資協定の批准をストップして以降、欧州は中国との経済的な蜜月を見直し始めていたが、その流れがロシアによるウクライナ進行で不可逆のものとなったと彼らは見る。

 台湾についても、21年末には「北京の反発を恐れて破棄された」EU・台湾間の貿易対話の強化方針を、今年5月にはブリュッセルがあらためて提示。同じ月には日本との定期首脳会議において「中国について、特に安全保障上の力学に関する交流を深める」ことで合意しており、これも台湾危機を念頭に置いた動きだ。……

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