連載|Foresight

米国が「南爆」で狙うホルムズ海峡管理権をめぐる「覚書の書き換え」

2026年7月19日


<span>米国が「南爆」で狙うホルムズ海峡管理権をめぐる「覚書の書き換え」</span>
イラン優位のホルムズ海峡のパワーバランスは変わるのか[米中央軍が7月18日に公開した米軍艦からの攻撃の様子](C)U.S. Central Command/Handout via REUTERS

ペルシア湾に面したイラン南部への大規模空爆は、米国にとってベトナム戦争の「北爆」に似た泥沼化への転換点になるかもしれない。戦闘終結に向けた暫定合意の覚書はイランの完勝に近い内容だったが、これをいま、軍事力の行使で“書き換え”ようとしているのだ。この攻撃再開でイランのホルムズ海峡を管理する能力を無効化できなかった場合、米国がイスラエルの大規模軍事介入や湾岸アラブ産油国の参戦を要請する可能性も出てくるだろう。

 米国が再開した対イラン攻撃を拡大・強化している。7月11日以降、連日にわたって大規模な空爆がペルシア湾に面した南部の都市の港湾施設や軍事拠点に対して行われている模様である。イランはペルシア湾岸諸国やヨルダンなどアラブ諸国の米軍基地・施設への反撃を強めている。7月17日にはヨルダンの米軍基地へのイランの弾道ミサイルとドローンの攻撃により米兵が2名死亡、1人が行方不明になったと米軍が認めた。これに対して米国は更に攻撃を大規模化させる可能性がある。

 米国のベトナム戦争への深入りと泥沼化の転換点は、しばしば1965年の「北爆」に見出される。今回の米国の対イラン軍事行動の再開は、もし今後長引き拡大すれば、さしずめ「南爆」とみなされることにもなりかねない。

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