中東情勢は「緊張高まる」「混迷深まる」といった常套的な形容句を付して報じられ、論じられがちである。しかし実際には、しばしば緊張は緩み、混迷が若干和らぐ「凪」の状態の時期がある。現在はそういう時期だろう。
この関係で、現在の中東情勢を見るためのもう1つの日付は「2019年9月17日」であると言ってもいいだろう。
その理由は、9月17日に投票のイスラエルの総選挙でネタニヤフ政権の存続が決まるまでは、米国もペルシア湾岸諸国も、そしてイランも、態度を決められないからである。
米・イランの緊張の高まりと、サウジ・UAEなどアラブ産油国(GCC諸国)とイランとの対立の激化を基調とする現在のペルシア湾情勢の背後には、イランの脅威の除去を最大の外交・安全保障上の課題とするイスラエル・ネタニヤフ政権の影響が大きいことは周知の事実である。……