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サウジ・UAEによる制裁下のカタール

2019年11月13日

カタールに行く時に留意せざるを得ないのは、サウジアラビアやUAEなどの隣国との関係である。2017年6月に、サウジ・UAEが、サウジの属国的立場にあるバーレーンや、サウジ・UAEの資金注入に国家経営を依存するエジプトを従わせて、カタールとの外交・通商貿易関係を切断した。

目に見える影響としては、サウジ・UAE・バーレーン・エジプトとカタールとの間の直行便の途絶が、実際的な不便をもたらしている。カタールと、すぐ目と鼻の先の隣国であるサウジ・UAE・バーレーン、そして地域の大国であるエジプトとの間に、直行便がない。中東全域を相手に仕事をする場合、これは極めて不便である。隣国に行くにも西欧やトルコを経由していかねばならない。

元来はイランやイラクというペルシア湾を挟んだ大国に対して一致して向き合うはずのGCC(湾岸協力会議)内部での苛烈な反目は、中東政治の1つの大きな要素となっている。米国はバーレーンに海軍の中東における司令部を置いており、イランの脅威を見据えたペルシア湾の海上安全保障に関与するにもここを拠点とする。サウジには最近も公然とした部隊派遣・増派を発表したところである。

しかし米国は空軍の拠点をカタールのウデイド空軍基地(アル・ナフラ空港Matar Al-Nakhla)に置いており、カタールは米空軍をつなぎとめ、一層関係を強化することで、隣国に対する安全保障の確保を図っている。……

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