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イエメン内戦ではサーレハ前大統領派が和平工作

2015年7月24日

イエメン内戦が、ハーディー大統領派がサウジアラビアやUAEの軍事介入・支援によってアデンを奪還したところで、敵対するフーシー派を支援して撹乱してきたサーレハ前大統領派から動きが出てきた。カイロでサーレハ前大統領派の代表が米・英・UAEと協議しているという。サーレハ陣営が明かした。

Yemen's ex-president in talks to resolve war-party official, Reuters, July 23, 2015.

イエメン内戦は、大規模デモの圧力に対して退陣を拒否したサーレハ前大統領を見放したサウジ・UAEが当時副大統領だったハーディーを担いで、訴追なしの円満退陣をサーレハに呑ませたものの、サーレハは与党の国民全体会議党の党首では居続け、親族などによる軍への影響力を生かして抵抗。ついには自分が弾圧してきたフーシー派を解き放って首都制圧(昨年9月)、ハーディー大統領監禁(今年1月)、アデン制圧(3月)、ハーディー大統領国外逃亡、全土が内戦に、と無茶苦茶になったところで、サウジが鉄槌を振るって空爆を開始した(3月末)というのがイエメン内戦の基本的な流れ。【イエメン内戦を地図で見るにはここから】

23日までに、親サウジの民兵集団を結集してフーシー派をアデンから追い出したが、首都サヌアで戦闘ということになるとさらに大規模な被害が起きる。ここでサーレハがあたかも「止め役」「仲介者」のような顔をして「もうこれぐらいにしませんか」と言って出てくるのも全て織り込み済みなのだが、交渉するしかない。フーシー派を大暴れさせて、「止め役」になって復権を図るなんて茶番劇を誰もが予想していたがその方向に進むのか。国民の命を人質にとっての大芝居である。そんなこんなの内戦で苦しむのはイエメン国民。空爆で多くが命を落とし家を壊され、サウジ主導の封鎖で物資が入らない。どこにも「正義の人」が登場しないイエメン内戦である。

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