ペルシア湾情勢におけるUAEの急展開の重要性について、補足するために、奇妙な状況を顕著に示す文献を紹介しておこう。今年1月に米の保守系『ナショナル・インタレスト』誌に掲載された次の論考である。
著者のマイケル・ルービン氏はワシントンDCの保守的なシンクタンク「AEI(アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート)」の研究員で、反イラン・反トルコ(エルドアン政権)・反カタール、反イスラーム主義、親イスラエル・親サウジ・親UAEの論陣を張る有力な中東政策論客である。
ここでの議論は特に極端で、UAEがイランに軍事力で優っている、というのである。中東の現実を少しでも知るものには、にわかに信じがたい議論である。しかしこれがワシントンDCで大手を振るって流通する言説なのである。……